《NYクラシック通信》
 
「Holiday Brass」 Vol.17, 2011年12月11日
 
 
リンカーンセンター、エイヴェリーフィッシャーホール
 
クリスマスシーズン到来です。毎年このシーズンになるとマンハッタン内は至る所クリスマスツリーやイルミネーションに彩られ、町中が華やかに変貌します。そんなシーズン恒例のNYフィルハーモニックブラスセクション首席奏者による金管5重奏のコンサートへ行ってきました。
メンバーは以下の通りです。
 Trumpet   Philip Smith
          Ethan Bensdorf
 Horn     Philip Myers
 Trombone  Joseph Alessi
 Tuba     Alan Baer
その他、今回はジャズトリオのLee Musiker Trioが共演しています。
メンバーは以下の通りです。
 Piano     Lee Musiker
 Bass     Jay Leonhart
 Drums    Rick Cutler
ピアノのLee Musikerは今回アレンジャーとしても曲を提供しています。
 
毎年この金管5重奏の人気の高さには驚いてしまうのですが、普段シンフォニーコンサートに使われるこのホールをほとんど満員にしてしまうのですから、凄いです。実際前回のショスタコービッチの演奏会の時より、観客を集めていたのではないでしょうか・・・・。笑。
プログラムは直前に曲を決めたのでしょう、プログラムノートには載っていません。笑。彼らの話によると、今回のpiano&ArrangerのLee Musikerは多忙な演奏家のようで(トニーベネットともしょっちゅう共演しています)、金曜日の午前中にリハーサルをして、そのまま金曜・土曜の夜のコンサートをカナダでこなし日曜日の朝今回のコンサートの直前にカナダから戻ってきたそうな・・・。フィル・スミスのMCでプログラムが進められていきました。
毎年様々な人たちとのコラボレーションで進められるこのコンサートですが、(過去にはジャーマンブラス、カナディアンブラスなどと共演しています)今回のジャズトリオはクリスマスの雰囲気にぴったりでとても楽しいコンサートとなりました。
オープニングは定番のクリスマスソングで始まりました。
2曲目、トリオと5重奏の演奏で「My favorite things」jazzの定番です。これをフリューゲル2本使ってメローに仕上げられていました。3曲目も同じトリオと5重奏による「March of Toy」トランペットはピッコロを使い、軽快に奏でられました。4曲目、トリオの演奏でクリスマスソング、5曲目はクリスマスキャロル3曲をジャズバージョンで演奏されました。
6曲目、ヘンデルの曲をピッコロを使って5重奏の演奏です。ジャズが続いていたので、この厳かな感じがとても新鮮に感じました。
7曲目、「Sleigh Ride」いわゆる「そりすべり」です。この定番のクリスマスソングをジャズバージョンでトリオ&5重奏で演奏されました。8曲目は「White Christmas」観客に一緒に歌うよう促し、盛り上がりました。
前半最後の曲はチャイコフスキー作曲「くるみ割り人形」から、「アラビアの踊り」と「ロシアの踊りトレパーク」です。クリスマスの定番で華やかに締められました。
後半1曲目は「Deck the Halls」日本では「ひいらぎかざろう」で知られています。
この曲をトリオ&5重奏で、ジャズバージョンで演奏されました。
2曲目、5重奏の5人によるそれぞれのソロです。全員違ったキャラクターを持った曲を演奏され、素晴らしかったです。特にフィル・スミスによる「The Christmas Song」(ナット・キング・コールによるカヴァーが有名ですね)フリューゲルでのメローな演奏が美しかったです。マイヤースによる「エーデルワイス」も素晴らしかったですし、アラン・ベアーの音色も美しかったです。ベンスドルフによる演奏はトリオ&5重奏の伴奏で演奏されたのですが、彼の超絶技巧、テクニックの高さを聞かせてくれました。素晴らしかったです。
3曲目はトリオによるクリスマスの超定番「Winter Wonderland」4曲目は「The little Drummer Boy」ジャクソン5のカヴァーが有名ですね。
5曲目はトリオ&5重奏による演奏で、ピーナッツのクリスマスソングから「ライナス&ルーシー」「スケーティング」でした。日本でもジョージ・ウィンストンの演奏でよく知られていますね。アメリカでも子供たちに人気のある曲です。
軽快なジャズバージョンで、心躍る素晴らしい演奏でした。
アンコールは3曲、最後に「きよしこのよる」を会場の聴衆全員で歌って、盛り上がって終わりました。
実は3年ぶりのこのコンサート、久しぶりに素晴らしい金管5重奏のコンサートが聞くことが出来ました。この演奏を聞かされたら、エイヴェリー・フィッシャーをほぼ満員にしてしまうくらいNYの聴衆に人気があるのも納得です。
演奏会後の観客の満足そうな表情が演奏レベルの高さを物語っていました。
本当に素晴らしい、そして楽しいコンサートでした。また来年も足を運びたいと思います。
 
      
 
By Sumie Sato